2021/04/11 23:06

「デザイナーになりたい」というのは私の夢のひとつで、それは曲りなりに自分の
なかでは叶えたことにしています。

子供服を作るにあたって、もうひとつ感じたことがありました。それが、ヨーロッパの旅を
通して感じた「衣料ロス」や「食品ロス」についてです。

急にこんなことを書くと押しつけがましいし、なんかコイツいきなり変な寄付とか募って
くるんちゃうかとか思われそうですが…

と言っても、若い頃はそんな事を考えたこともなく、気分で服を買っては飽きたら平気で
捨てるような、今考えると服や物に感謝のない悲しい人間でした。多分それは人に対しても
同じだったのだと思います。その代償として、やっぱり私も男には散々捨てられました。苦笑

一家でヨーロッパを転々とした時分は最長でも2か月で住処を変えていたので、引っ越し
(移動)の前に冷蔵庫や家に残した食べ物をきっちり食べつくす術を身につけた頃、
ロンドンのある一家の一部屋に住むことになりました。

私は初日からその一家のゴミの量に驚きました。とにかく食品ロスが多すぎたのです。

焼いたばかりのパンケーキが手も付けられずに捨てられていたり、スナック菓子も
ほとんど手を付けられず袋ごと捨てられている様を目撃しては「捨てる前に声かけてーな!
めっちゃ食べるし全部!」と思いながら、毎回ゴミ箱を見てはショックを受けたのを
覚えています。

その後旅を続けるなかで、人の数に対して多すぎる物や服が街に溢れかえるのを見ては
「これってこの先どうなるんやろう」と、その物たちの運命が半分見えたようで、
私たちはいつまでこの状況を続けていくのだろうかと怖くなりました。

それまで何も気にしなかったことですが、日本でも大量の恵方巻が捨てられている
ニュースを見たときは衝撃を受けました。そして食べ物だけではなく服も…

日本国内だけでも年間2億8000着前後の服が捨てられている。
本当だろうか?

また、安く買えるということは、その市場下にとても安価で働いている人たちがいると
いうことも知りました。縫製工場を粗末な作りにしたせいで屋根ごと崩れてその犠牲になった
方たちがいたという話などを聞くと、堪らない気持ちになります。「誰にでもそれ相応の
対価があって欲しい」そう強く思いました。

服を一から作ってみて、1着作ることの大変さが身に染みて分かり、なおさらそう思い
ます。一生懸命作った服を捨てられたくないし、服を作ってくれた人の想いを忘れられ
たくない。

そんならこれ以上服作るなよと言われそうですが、1着を大切にして欲しいわけです。
沢山買わなくても良いということを知って欲しい。

エゴです。

こんなところに自分の考えを書いてみてはいますが、人様にそれについてどうこうして
欲しいとも思っていません。

ただ、自分にできる範囲のことはやっていきたいなとも思っています。

自分のキャパによる物理的な理由も大アリなのですが、販売も、在庫を抱えない
くらいのボリュームにしたり、(在庫まだまだあるがな)自分の子供に着せられる
ように我が子のサイズを中心にしたり。
ちいさなお店で、流行りを意識した服でもないのですが少しでも長く着られるように、
自分にとって飽きない服作りを心がけています。

このぐらいのことですが、今日も堂々と我が子に
「あんた、ごはん残したらアカンで!おもちゃ大事にしなみんな泣いちゃうで!」
と、言えます。

写真はベルリン郊外のバーの奥さんにいただいたぬいぐるみと、ベルリンで買ったちいさな絵本。
ぬいぐるみは「ツィンちゃん」と名付けられ、2年経った今でも子供の親友でどこに行くにも
一緒。絵本はなぜか「ケータイ」にされ、今でも誰かと我が子を繋いでくれているようです。

「こんなボロボロになるまで…うちの子物を大事にしてくれているなぁ。」
と感心した傍から、
「あぁ、なんも買ってあげてへんからこれしかないんか」
と気づいた4月。